『iPhone指数』という言葉を聞いたとき
「ビッグマック指数みたいな物でしょ?」と思う方は多いのかもしれません。
しかし、iPhone指数とビッグマック指数は似て非なるものです。
この記事では
・iPhone指数とは?
・ビッグマック指数との関係性
・ビッグマック指数との違い
といった事を書いていこうと思います。最後まで読んでいただけたらと思います。
iPhone指数とは?
iPhone指数とはiPhone12Proを購入するためには何日働いたら良いかという指数です。
iPhoneは安物ではありません。
それはもちろん外国も同じですが、何日働いたら購入できるのかは異なります。
言い換えるとAppleから見た時間の価値が国ごとに異なると言っても過言では無いでしょう。
百聞は一見に如かず。iPhone指数は以下の様になっています。
出典:picodi
iPhone指数とは何かを知りたいのであればここまでで十分かもしれません。
「スイスが一番短時間でiPhoneを手に入れることができるんだ」
「ロシアがiPhoneを買うためにはアメリカの約8倍も働かないといけないの!?」
「オーストラリアとルクセンブルクのiPhone指数が同じなんだ、不思議」
みたいな感想を抱いたことでしょう。
ただ、それだけだと勿体ないのでは?と思います。
せっかくの指数、他のものと組み合わせたらもっと面白いのではないでしょうか。
iPhone指数は何かと合わせて使うと強力
何かと組み合わせて使ってみるとよりより面白いものになるという話。
GDPでも良いですしビッグマック指数と組み合わせるのも面白いですね。
iPhone指数とGDP
一気にずらっとGDPを並べても分かりにくいため話をシンプルにする目的でアメリカと中国そして日本の3国で比べてみようと思います。
国 | iPhone指数 |
アメリカ | 6.1 |
中国 | 26.7 |
日本 | 9.8 |
これだけ見たら「中国ってiPhoneを買うのに日本の約3倍もかかるって大変だなぁ」なんて思うかもしれませんね。
そこで、この表に国民1人当たりのGDP(国内総生産)を追加してみると以下のようになります。
国 | iPhone指数 | 国民1人当たりGDP(2019年) |
アメリカ | 6.1 | 6,500ドル |
中国 | 26.7 | 1,000ドル |
日本 | 9.8 | 4,000ドル |
国民1人当たりのGDPは国民の豊かさを指す指数とも言われています。
これだけ見ると「iPhone指数と1人当たりGDPの間には逆数のような相関があるのでは?」と考えつくかもしれませんね。
確かにアメリカが6.1日に対して日本は約1.5倍長い9.8日働かなければいけないことに対して、アメリカの一人当たりGDPは日本の約1.5倍と結構近い数値にあります。
対して中国はどうでしょうか。GDP上ではアメリカの約6.5分の1ですがiPhone指数は約4.3倍と割と大きな差が開いています。
「一人当たりGDPとiPhone指数は別物」と切り捨てる事も可能ですが、微妙に相関がありそうだったり、微妙に差があるのが興味をそそられます。
・この差は何だろうか?
・他の国も比べてみたら違うかな?
といった事を考えるのもiPhone指数の醍醐味と言っても良いかもしれませんね。
ビッグマック指数と比べてみる
出てきましたビッグマック指数。先ほどに倣いアメリカ・中国・日本で比較をしてみます。
国 | iPhone指数 | ビッグマック指数 |
アメリカ | 6.1 | 0% |
中国 | 26.7 | -38.82% |
日本 | 9.8 | -37.21% |
ビッグマック指数は2021年のデータを使用しています。
一目見て「むっ!?」と思った方も居るのではないでしょうか。
中国と日本のビッグマック指数はさほど差が無いのにiPhone指数には数倍の差があります。
言い換えるとビッグマックの価格は日本と中国でそこまで差がないがiPhoneを買うために働けなければいけない日数は約3倍の差がある。という事です。
ではなぜこんなにも違いがあるのかと言うと両者には決定的な差があるからですね。
iPhone指数とビッグマック指数の違い
iPhoneとビッグマック指数の違いは単純に比較対象がiPhoneとビッグマックという違いだけではなく、計算方法や計算に使用するものが違います。
用いる数値や計算方法が異なる
使用している数値は以下の通りです。
ビッグマック指数
・アメリカのビッグマックの価格
・その国で買えるビッグマックの価格
・為替
iPhone指数
・その国で買えるiPhoneの価格
・その国の平均賃金
と全く異なります。
平均賃金を用いているため、先ほどのiPhone指数とGDPの比較では相関がありそうというのもうなずけるのではないでしょうか。
また、計算方法は両略しますがiPhone指数とビッグマック指数の計算方法で最も異なるのは基準の有無です。
ビッグマック指数はアメリカのビッグマックの価格が基準。
そのためアメリカのビッグマック指数は絶対に0.00%(倍率表記であれば1.00)になります。
対してiPhone指数には絶対的な基準はありません。
あくまで”その国で買えるiPhoneの価格”と”その国の平均賃金”で計算されています。
では、iPhone指数とビッグマック指数どちらが良い指数なのかと言われると「分からない」です。
単純に旅行に行くだけならばビッグマック指数の方が優れているのかもしれませんし、永住するのであればiPhone指数の方が見るべき数字なのかもしれません。
時と場合によって使い分けないといけませんね。
問題点は...
iPhone指数とビッグマック指数どちらも完璧な指数ではありません。
特にビッグマックは国によってサイズが違う事もあるため比較するための基準があいまいです。
そういった面ではiPhoneは基準に適していますね。どこで買ってもiPhoneですから。
ビッグマック指数の問題を解決してみたという記事で各国のビッグマックのカロリーや消費税など補正してみた結果もあるため、気になったらこちらもどうぞ。
次は1人当たりGDPとiPhone指数の分布図を作ってみるのも面白そうと考えていたり。
今回は以上です。
最後まで読んでくれてありがとうございました!