最近読んだ漫画『迷走王ボーダー』が面白かったので一つ記事にしようと思い久しぶりの更新。
kindleUnlimitedの読み放題タイトルに入っていたのでたまたま読んだものの、つい面白くて全巻読んでしまいました。
令和の時代にこの漫画に出会えたことへ感謝。
「迷走王ボーダー」のあらすじ
迷走王ボーダーを一言で言ってしまえば
プー太郎の珍道中を描いたギャグ漫画
です。
一応言っておくと作中内で時間の経過や大きなイベントはあるものの、ワンピースの「海賊王に俺はなる」的な大きなストーリーは存在していません。
プー太郎の珍道中とは
特筆すべきは主要キャラ3名(蜂須賀,久保田,木村)は誰も定職についていません。バイトすらたまにしかやりません。
定職についていないからこそ以下の様なイベントが起こり得ますし、ギャグとして成立している。
・女の子と遊びに行くためにバイト
・食費が無いから人にたかる,
・夜中にUFO探しをする
・バンドを組む
いづれも定職に就いた社会人であれば何となく想像できる範囲内で事柄が進むため大人が登場する日常系漫画で扱われることはまあ無いでしょう。逆に学生が主な漫画なら展開としてはあるが、こと「お金」についてはあまり触れられることがありません。
「これからどうしようか?金は無いけど時間はあるぜ」という学生時代のワクワクを感じるようで私は読んでいて非常に面白かったです。
バブル時代を書いた漫画である驚き
実はこの漫画の驚くべきところは”バブル時代に書かれた漫画である”ということです。
ぶっちゃけた話、「プー太郎で珍道中」と言われたところで心に響かない方も居るかもしれません。「月給10万で生きていくライフハックかな?」なんて思う方も居るでしょう。
しかし、この漫画が描かれたのはバブル時代。体験こそしていないものの、話を聞けばやりたい放題で活気にあふれた時代ですよね。
そんな時代の中で”あえて逆行し”働かない選択肢を取る。私の中で「これは予言の書なのでは?」と心がざわつきました。
今の時代働かない人が増えています。中国の「タンピン族(寝そべり族)」とか居ますよね。
バブルのイケイケドンドンに逆行した人物描写に私は心惹かれてしまったのかもしれません。
破綻者蜂須賀が癖になる
この作品の主人公と言っても差し支えない人物、蜂須賀氏。
便所部屋に住んでいるところから始まり酒を飲んで暴れたり嫉妬に狂ったりとやりたい放題。それが良い。
やりたい放題だからこそ大きな事を成し遂げるような力を感じ取れるのが私は非常に好きでした。
酒代を人に出してもらうのが当たり前になっている様はもはや芸術。
一応「久保田が主人公である」という説もあるけれど私は蜂須賀が主人公だと思って読んでいました。
「迷走王ボーダー」の名言が脳にクる
迷走王ボーダーは特徴的な名言が多数登場します。
全部が全部紹介はしきれませんが、一部抜粋して紹介していきます。
無為こそが過激
無為こそが過激・・・・・・なにもしねえでぶらぶらしてるのがホントは一番<力業>なのさ・・・・・・
そう、何もしないのが一番過激なのである。
これに関しては割とガチで中国の「タンピン族(寝そべり族)」の記事でも紹介した通り、「何もしない」を辞めさせるすべは無いのである。
そして<力業>という部分も「誰でもできるが、やろうとはしない」という意味で結構納得できるところがあります。
だってそうですよね?何もしない事は皆さん誰だってできます。しかし、それでも働いてしまうのはお金だけでなく人間関係にも起因しています。何もしないは誰でもできるけれどやろうとはしない訳です。
余談ですが、どうやら鳥肌実のDVDに「無為こそ過激」があることが判明。
鳥肌実と言えば私の好きな漫画『オメガトライブ』の梶君のモデルである。奇妙な線を感じずにはいられない。
酒は原価が一番かぁ
女子大の文化祭に紛れ込み嘘の経歴でデートにこぎつけた後、デートをすっぽかして登場したセリフです。
俗に言う原価厨と割り切ってしまうと途端に身近に感じてしまいます。
また、嘘の経歴使ってデートに行く手法なんてどこか身近に感じたりしませんか?
その他心に残る言葉
・せっかくこの世に生まれたのにそれだけかい・・・
・ケンカは翌日が一番痛え
・”情報”なんてーのは常識バカどもの健康な麻薬
作画が”軍鶏”の人
どこかで見た事のある絵だと思っていて読んでいたものの、ずっと誰だか分かりませんでした。
しかし、続編(?)のネオ・ボーダーで格闘技漫画『軍鶏』を書いている人だと確信。軽く調べてみたら確かに同じ人。
軍鶏も面白い漫画ではあるのでオススメです。
今回は以上です。
最後まで読んでくれてありがとうございました!